筋トレで心身に良いホルモン「マイオカイン」が分泌される

「筋トレを始めたが、トレーニングにはどのような効果があるのか知りたい」と思う人はたくさんいると思います。

以前に、運動や筋トレで得られる身体機能面への効果について説明した記事を書きました。

筋トレで得られる身体機能への効果

今回は、運動や筋トレで得られる精神面への効果について説明していきたいと思います。

筋トレを行うことで様々な効果が得られますが、ここでは主に得られる以下の３つの効果をご紹介します。

・効果③「ホルモンの分泌」

本日は、上記の中から「ホルモンの分泌」についてお話ししたいと思います。

マイオカイン：ホルモン分泌

マイオカインとは、骨格筋（筋肉）から分泌される生理活性物質（サイトカイン）の総称です。

ギリシャ語のmyo（筋）とkine（作動物質）を組み合わせて作られた造語になります。

最近はこのマイオカインの研究が進み、「運動と健康」の仕組みを解明するカギとなる物質として注目を集めています。

筋肉から分泌されるホルモンであるマイオカインは、現在報告のあるもので100種類以上あります。

その作用としては、脂肪燃焼や病気の予防効果、認知機能のUPなど身体に良い影響を与えるホルモンです。

運動により分泌されるマイオカインの一部をまとめてみました。

ホルモン名	作用効果
イリシン	脳の海馬に働いて脳を活性化させる働きを持ち、脂肪の性質を燃焼しやすいものに変化させる
BDNF	神経細胞の発生、成長、維持、再生を促進させる脳由来の神経栄養因子で認知機能を高める効果がある
テストステロン	筋肉や骨格の成長を促進させ脂肪の分解も促進する前向きな思考や集中力、やる気を働かせる自立神経を整える
インターロイキン６	血管内の炎症を抑え動脈硬化を予防し脂肪の分解を促進する
セロトニン	精神の安定や安心感や平常心を保ちストレスに対し気分を落ち着かせる食欲を抑える、睡眠や記憶の処理にも関わる
エンドルフィン	痛みの緩和、免疫力の向上、リラックス効果前向きな気持ちをもたらす

運動により筋肉を動かすことで身体に良い影響を与えるモルモンが多いことがわかります。

日頃からにしっかり動いている人、運動をしている人は、マイオカインが分泌されるため健康や若さを保つことができます。

その一方で、普段から運動習慣のない人や仕事が事務作業など動かない状態が多い人は、

「老化や病気の予防に役立つ＜善玉＞のマイオカインは減少」し、

「筋肉の萎縮を進める＜悪玉＞のマイオカインが増えてしまう」

ことも分かってきています。

そのため、マイオカインを分泌し心身ともに健康に過ごすために日頃から運動を行うことは、とても大切だと考えます。

筋肉から分泌されるマイオカイン各種ホルモンの作用により脂肪燃焼や病気の予防効果、認知機能のUPなど身体に良い影響を与える効果が多いことがわかりました。

トレーニングを行うことで、身体的な変化だけではなく精神面への効果もたくさんあります。

要約版WHO身体活動・座位活動ガイドラインにおいても「身体活動は、うつや不安の症状を軽減し、思考力、学習力、総合的な幸福感を高める」と言っています。

そのことからも、トレーニングや運動は心身の健康のために重要な活動と考えることができます。

トレーニングを行い身体面と精神面の両方を高めていきましょう。

・科学的に正しい筋トレ　最強の教科書　2019年　庵野　琢将

・知性を鍛える究極の筋トレ　2020年　井谷　武

・ビジュアル　ホルモンのはたらきパーフェクトガイド　2021年　キャサリン・ウィットロックほか

・要約版WHO身体活動・座位活動ガイドライン

・Beyond Health：筋肉と腸に密接な関係、食で整える「筋腸相関」