今回は、「運動で得られる身体への効果」についてお話しします。
よく運動は体に良いと聞きますが、では実際にどのような効果があるのか、詳しくわからない人もいると思います。
せっかく運動を行うのであれば、体にとってどんな効果があるのかを知っているとより筋トレや運動するのが楽しくなります。
トレーニングの効果を理解するとより筋トレが楽しくなるのでぜひ最後まで記事を読んでください。
そこで、運動を行うことで得られる身体面への効果を3つご紹介したいと思います。
効果①「健康になる」
今回はその中でも筋トレで健康になることについてお話ししていきます。
目次
筋トレで「健康になる」とは
運動が健康をもたらすことは良く知られています。
世界保健機関が発表した身体活動・座位活動ガイドラインでは
「定期的な身体活動は、世界の死亡者数の4分の3近くを占める心臓病、2型糖尿病、がんといった疾病の予防・管理に貢献する。」
と書いてあります。
そして、
「筋力強化は全ての人の健康に役立つ」
と明記されており、ガイドラインからも、運動で健康になることは明らかにされています。
なぜ運動で健康になるのか
運動が健康をもたらすポイントを2つ書きたいと思います。
運動により筋肉量を維持向上させる
運動によりマイオカインを分泌させる
2019年の国民生活基礎調査の発表では、
「要介護」になる原因の第3位を「高齢による衰弱」としており、
認知機能低下や体力の衰え、筋力の低下によるものと言えます。
筋肉量が減れば、立つ、座る、歩くなど普段行なっている生活が難しくなります。
つまり、筋肉量を維持向上させることは、要介護を予防して健康に生活できることを意味しています。
そして、筋機能の低下や筋肉が減る原因には2種類あります。
それは「廃用性萎縮」と「サルコペニア」です。
運動により筋肉量を維持向上させる=廃用性萎縮とサルコペニアを予防する
廃用性筋萎縮:使わない、動かさないことで筋力が低下する
サルコペニア(加齢性筋減少症):加齢で起こる筋肉の衰え
廃用性萎縮は、使わない筋肉は必要ないと判断され小さくしていく生理学の原則です。
サルコペニアは、加齢に伴い筋肉が減っていく現象で次のようなデータもあります。
筋肉量は30歳をピークに徐々に減り始め、50歳以降にはその減少スピードが上がります。
そのため、サルコペニアと廃用性萎縮が組み合わさると悪循環が生まれます。
*悪循環の例
サルコペニアにより身体の筋肉が減少
↓
筋力量が少ないので体を動かすのが大変になる
↓
動かないので筋肉が減り廃用性萎縮となる
↓
筋肉の萎縮が進み歩けなくなる
↓
寝たきりつなってしまう
そのため、サルコペニアや廃用の予防、要介護にならない、寝たきりにならない体を作るためには筋トレが必要になります。
自分が可能な範囲で筋トレをすることで筋肉の減少スピードを遅らせ健康的な生活を獲得することができます。
運動で分泌されるマイオカインとは
また運動(運動=骨格筋の収縮)を行うと、筋肉が健康に役立つホルモンであるマイオカインを分泌します。
マイオカインとは骨格筋から分泌される生理活性因子の総称です。
(理学情報ジャーナル51巻6号(2017年6月)講座 運動と分子生物学・2 マイオカインによる代謝への影響 真鍋 康子)
運動により分泌されたマイオカインが病気の予防、健康や若さの維持に重要な役割を果たしていることが近年の研究で明らかになっています。
このように運動を行うことで筋肉量を維持向上させて、マイオカインを分泌し健康と若さを維持する効果が得られます。
筋トレを行うことで、身体に良い効果を得られることがわかれば、日々のトレーニングがより楽しくなります。
今日も筋トレ、運動をしていきましょう!
参考情報
文献からの情報
科学的に正しい筋トレ 最強の教科書 2019年 庵野 琢将
知性を鍛える究極の筋トレ 2020年 井谷 武
理学情報ジャーナル51巻6号(2017年6月)講座 運動と分子生物学・2 マイオカインによる代謝への影響 真鍋 康子
ビジュアル ホルモンのはたらきパーフェクトガイド 2021年 キャサリン・ウィットロックほか
インターネットからの情報
厚生労働省、2019年 国民生活基礎調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html
要約版WHO身体活動・座位活動ガイドライン(http://jaee.umin.jp/doc/WHO2020JPN.pdf)
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